2024/06/06 06:58



新作のリストバンドが(たぶん)どこにもないタイプで個人的にも気に入っているのだけれど、作るのに非常に時間がかかる。

たまにはどのくらい手間をかけているかを知ってもらってもいいだろうということで制作過程の1部を説明しようと思う。聞かれてないけど。

まず厚さ2mmの革に型紙をトレースし、スタッズの穴をあける。スタッズ1つにつき3つ、実際はここですべてのスタッズの穴をあけ、ボタンの位置などの印も付けておく。


スタッズを差し込む。1辺5mmの三角形スタッズの爪は、長さ2.2mm程度しかない。2mmの革に2.2mmの爪。裏側に爪はほとんど出てこない。ここから爪を折り曲げて固定しなければならないのだ。

真ん中を押し込んで爪を露出させ、プライヤーでつかめるようにする。

爪を革に差し込むように丸めて折り曲げて打ち込む。

スタッズを打ち込んだ影響で隣の穴が歪んでいた場合、それを微調整して2つ目のスタッズに進む。曲がって打ち込まないように気をつけながら、これを46回繰り返す。

さらに金型の都合なのかスタッズの3辺の厚みが一定ではないので、一つ一つ向きを揃えて打ち込んでいく。

この後、ボタンとDカンが付く革の重なる部分のみ革を薄く漉き、裏貼りの革を接着。接着面がわからないくらいコバをピカピカに磨いてDカン・ボタンを付けてやっと完成する。

以上が全体の流れである。他のDカン付きリストバンドの倍以上、手縫いのセミオーダータイプの物ぐらいの時間がかかってしまう。写真はないが接着や裁断にも色々とこだわりがある。勢いで据え置き価格に設定したけれど、近々値上げをしようと検討している。

なので気になる方はお早めにご検討をお願いします!